永遠を繋いで

「馬鹿だよ、本当。そういうのもう止めな。じゃなきゃ最低。嫌いになる」

焦った素振りを見せて止める!なんて大きな声で言うものだから、思わず吹きだした。
それで気が緩んだのか、いつものようにとはいかないにしても表情に明るさが戻る。

俺さぁ、再び口を開いた涼太に耳を傾けた。

「いつからだかはっきりは覚えてないけど、お前のこと好きになってた」

「…うん、」

「高橋と付き合うって聞いた時とかさ、なんつーか複雑な気分で。多分そん時からもう好きだったんだ、真咲のこと」

「うん」

「でもお前が幸せならそれでいいとか思ったりして。俺女にマジになったことねぇし、適当な恋愛しかしてないから自分の気持ちすらわかんなくて。親友で、男友達で一番近いならそれで満足しようって、ずっと思ってた」

ぶっきらぼうに言葉を綴る横顔を見ながら、あたしは返事をするだけだった。

この三年間、ずっと友達という形で近くにいた涼太の気持ちを初めて聞いた。ぽつりぽつりと、自分なりの言葉で必死に想いを伝える涼太に、胸がきゅっと締めつけられる感覚があたしを襲う。

最後まで聞かなければ。あたしなりの、精一杯で受け止めてあげなければいけない。
受け止めた先にある答えが、たとえ涼太にとって望むものではなくても。

「茜と仲良くなってくの見てて、ずっとヤキモチ妬いてた。あー、これ本気じゃんって、そんで気付いた」

大きな瞳が、あたしを捕らえる。
口元が緩やかに弧を描くその顔が、その辺の女の子より可愛いな、なんて見惚れてしまう。

「好きだよ。大好きだ」

すごく穏やかに笑うのに、その表情とは不釣り合いな涙がぽたりと涼太の瞳から零れ落ちた。