「それより夜龍、いいんですか?」
怪しい笑みのまま女はそう言う。
………忘れてた!
俺は急いで殺り合ってる場所、グランドに向かおうとした。
「水本さん」
だが女に呼び止められ足を止める。
「余計な詮索だけは、しないように」
女は怪しげにそう言った。
こいつはただ者ではないと感じた。
DARKトップ、水野松の1人の俺が、少し怖いと感じたんだ。
俺らDARKは俺含め3人のトップがいる。
他2人の名は野々原 海李(ノノハラ カイリ)と松宮 勝紀(マツミヤ ショウキ)。
水本の水、野々原の野、松宮の松をとって水野松。
水野松のトップが俺だ。
俺らはKILLトップを知らない。
名字が高山であるということと、名前に“空”がつくというぐらいしか。
俺はグランドに向かいながらそんなことを考えていた。
――――――――――
誰も居なくなった廊下で、空愛は呟く。
「ククッ For your getting to know, it is still early.(君が知るにはまだ早いよ)」
―朔眞side end―


