『そっちが先に手出したからでしょ?』
今までに聞いたことのない、春川の低い声が聞こえた。
俺はその声に身震いする。
「こっちが先…?」
『僕たちが、ましてや僕たちのトップが、わざわざ自分からケンカ売りに行くような無駄なことすると思ってるの?
僕たちは君たちが潰れても何の得にもならないんだよ?』
耳元に、冷たい声が響く。
春川のこんな冷たい声は、ホントに初めてだ。
それに春川の言ってることは、悔しいけど事実だ。
俺達は、KILLが潰れれば全国No.1という地位を手にすることができる。
だが今全国No.1のアイツらにとっては、どこが潰れても何にもならない。
『話はそれだけ?
だったらもう切るからー』
そう言われ一方的に電話を切られた。
「あの人達が先に手出したの?」
紗榮が俺に聞いてくる。
「そうらしい…」
俺は小さくそう呟いた。
「ならしょうがないね」
紗榮のその言葉を聞いて、俺は紗榮を睨み付ける。
しょうがない…?
そんな言葉で済むのか!?


