イツワリ




しばらくして涙も止まったけど、一に抱きつかれたままリビングにあるソファーに座った。




「一…?
もう大丈夫だよ?」



一「俺がもう少しこのままでいてぇんだよ。

それより……逃げんなよ。」



「………。」



一「留美、お前は1人じゃねぇ。
それに事実なんだ。

同情の目が嫌なら、それを吹き飛ばすくらい良いモデルになれ。


あと…俺達は紛れもなく暴走族だ。
でも留美にとって俺達はそんな恥ずかしい存在なのか?」



「違う!!
一達は私にとって大切な人達だもん!!」



一「ふっ……当たり前だ。
俺らにとっても留美は大切なんだからよ。

怖がるな。
俺達がいるだろう。」





…私は1人じゃない


そう思うと強くなったような気がした。




「…電話するから離してくれる?
でも隣りで手は握ってて欲しい……。」



すると一は私を隣りに座らせ、手を握ってくれた。



一「いくらでも握っててやる。」




私は一に微笑み、川東さんに電話をかけた。




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