どんよりとした気分に陥った亜紀の口から、湿ったため息が出る。
既に10時を過ぎているが、入社2年目の江藤進(えとう すすむ)は、未だに出社してこなかった。
休むという連絡もなかった。
困った子だなあ。
亜紀はまたやれやれという息を吐いた。
江藤は入社したときから、遅刻の常習犯だった。
亜紀も先輩として何度か注意しているし、それは町田も野田も同じだった。ただ、どれだけ注意しても、謝罪すればそれでいいと思っているのか、一向に江藤はそれを改めようとしなかった。
査定に響くんだぞと、町田あたりはかなりきつい言葉で脅したらしい。
けれど、別に出世に興味はないし、ムリしてまでガツガツ稼げなくても、食べれるだけ稼げればいいですと、なんとも情けないことを江藤は言ったそうだ。
そんな江藤に腹が立つたび、今どきの若者などという言葉は使いたくないと、亜紀は思った。
今どきの若者だって、やる人はやる。やる時はやる。だから、今どきの若者などと言う言葉で諦めてやりたくなどなかった。
というか。
自分もまだ。
今どきの若者に括られるはずだもの。
年齢的には。
そう亜紀は頷いた。
とりあえず、そんな江藤のことは理解不能の未確認生命体と、亜紀は認識することにした。
そうとでも思わないと、亜紀には彼の言動が理解できないのだった。
既に10時を過ぎているが、入社2年目の江藤進(えとう すすむ)は、未だに出社してこなかった。
休むという連絡もなかった。
困った子だなあ。
亜紀はまたやれやれという息を吐いた。
江藤は入社したときから、遅刻の常習犯だった。
亜紀も先輩として何度か注意しているし、それは町田も野田も同じだった。ただ、どれだけ注意しても、謝罪すればそれでいいと思っているのか、一向に江藤はそれを改めようとしなかった。
査定に響くんだぞと、町田あたりはかなりきつい言葉で脅したらしい。
けれど、別に出世に興味はないし、ムリしてまでガツガツ稼げなくても、食べれるだけ稼げればいいですと、なんとも情けないことを江藤は言ったそうだ。
そんな江藤に腹が立つたび、今どきの若者などという言葉は使いたくないと、亜紀は思った。
今どきの若者だって、やる人はやる。やる時はやる。だから、今どきの若者などと言う言葉で諦めてやりたくなどなかった。
というか。
自分もまだ。
今どきの若者に括られるはずだもの。
年齢的には。
そう亜紀は頷いた。
とりあえず、そんな江藤のことは理解不能の未確認生命体と、亜紀は認識することにした。
そうとでも思わないと、亜紀には彼の言動が理解できないのだった。



