そして事件は起こった。
それはバイトの帰り道だった。

夜道を歩いていると誰かに後をつけられているような気がして気味悪かった。
だからあたしは小走りをした。
そのときだった。


『サ―――――――ッ』

「!?」


目の前に全身黒でフードを被った男が現れた。
その男はずっとあたしを見ていた。


「あの…何ですか?」


恐る恐る聞いても相手は無視。


「お母さんに怒られちゃうんでいいですか?」


あたしはそう言って通り過ぎようとしたときだった。


「えっ!?」


いきなり腕を掴まれたかと思ったらあたしの首筋辺りの臭いを嗅ぎだしたのだ。