私だけの、不良なヒーロー。





「別に無理やり言わなくてもいいけどよ。」




ほっとしたのもつかの間、彼は続けた。




「顔、腫れてるぞ。あの怒鳴り声とあわせて考えてみれば、すぐに分かるけどな。」




そう言われて私ははっと頬に手を当てた。





いろんなことがありすぎて、特に痛くなかったため、父にたたかれたことをすっかり忘れていた。






彼は立ち上がってキッチンに入ったかと思うと、ぬれた冷たいタオルをもって戻ってきた。





そしてうつむく私のすぐ隣に座ったかと思うと。







腫れた頬にタオルを当てた。