「何で家出しようとしてたんだ。」 ぎくっ。 痛いところをつかれて、私はおもわず顔そらした。 「やましいことでもあるのか?」 そう聞かれて、私は頭を振った。 「いや、やましいとかじゃなくて」 「じゃなんだ。」 はっきりと言えなくて、私は口をつぐんだ。 しばらくして彼はため息をついて、ソファに深く座りなおした。