強く抱きしめられていた遥の腕から、すぅっと力が抜け離れていった

…こんなこと…言われたら嫌いになるよね…
あたし…言っちゃったんだ…

小夜のギュッと閉じた目から涙が溢れ出し、両手で顔を覆った

「顔を見せて…」

ソファーに座る小夜の前で膝をついた遥が顔を覆う手をそっと包んだ

「いいんだよ…さあやはそのままで…
今のままでいて欲しい…
僕が愛しているのは…目の前にいるさあやだよ
いつも一生懸命で…人の事を考えられて…
恥ずかしがり屋で…ちょっとドジで…
笑顔が可愛くて…困った顔も可愛くて…泣いてる顔も可愛いよ
こんな素敵な女性はどこを探してもいないよ!
…自分に自信を持って!
僕が大好きになったんだ!
誰にも負けない素敵な女性だよ…」