慌てて車を降りるとそこは見知らぬ場所だった

…ここはどこ?
お店でもない…夕御飯を食べに行くのかな?

遥が車を停めた場所は人気のない静かな地下の駐車場だ

遥に手を引かれ隅にあるエレベーターに乗る

ふと足元を見れば小夜のキャリーバッグや母がお土産に持たせた袋も一緒だ

ポーンと軽快な音と共に目的の階に着いた

扉の向こうには静かな廊下と金属の扉が行儀よく並んでいる

よく分からないが荷物を一つ持ち、遥に着いていく

同じようなドアの一つの前で止まり、ポケットから取り出した鍵を慣れた様子で差し込んだ

「ここ…って…もしかして…
ハルの…うち?」