大きな座卓の上には母の得意なキノコたっぷり鍋が用意されていた

その他にも刺身や天ぷら、煮物やサラダ、鶏肉の照り焼き、グラタン、ちらし寿司などお正月並に華やかな食卓となっていた

「母さんも結美も作りすぎたんじゃないか?」

料理に見とれていた小夜の後ろから大輔がビールを運び呟いている

「ん~大丈夫よ!
今日は若い男の子が3人もいるんだから!
ほらっ座って!
ハルくんもおビールどうぞ!」
母は遥の手に少し強引にグラスを持たせ、琥珀色の液体を注いだ

誕生日席に座る父は口を尖らせながら、手酌でビールを注ごうとしている

小夜は父の手からビールそっと取り上げてお酌をした