誰もいない階段まで来るとしゃがんで、小夜に広い背中を見せる

「ほらっ!乗って!
オレ…きたえてるから大丈夫!」

急かすように体を揺らし小夜を待っている

男の子におんぶしてもらうなんて少し気恥ずかしかったが、その背中に吸い込まれるようにくっついた

「ちゃんとご飯おかわりしてるのか?
すげ~軽いよ…」

まるで小夜なんかおぶっていないかのように階段を駆け上がった

そのまま開いている扉の外に飛び出した

「「うっわ~!!」」

思わず出た言葉が重なった

そこには見たこともない綺麗な風景が広がっていた…


そう…今、遥と見ている風景と同じ…あの時と同じ…