ベッドに横たわっているのは酸素マスクに顔を覆われ、静かに目を閉じた人だった

いつもの優しい笑顔の宮本さんを想像していた小夜は、やっぱり間違えたんだと部屋から出ようとした

振り返るとドアから入って来た宮本さんの旦那さんが驚いた顔をして立っている

「あっ!小夜ちゃん…
遊びに来てくれたんだね
でもごめんね…おばあちゃんは遊べなくなっちゃったんだ」

そう悲しそうに謝った

これまでの入院経験から幼い小夜は、宮本さんがかなりの重症であることをすぐに理解した