「………」

遥の名前を呼ぼうと思い口を開くが喉の奥…胸の中に何かが詰まり声にならない

そんな自分に驚き、思わず喉に手を当てる

…声が…出ない?
遥さんの…名前を呼びたい…
あたし…どうしちゃったんだろ

よく考えるとこの二日間小夜は声を出していない

「小夜…心配ないよ
僕がずっと傍にいるから」

後ろからギュウッと抱きしめてくれた

背中越しに伝わる遥の柔らかな優しさに、荒れ始めていた心が凪いでいく

…遥さんがいてくれる…

遥の一言が今の小夜に光を当て導いてくれるのを感じた

自分がピンチな時にはいつでもどこでも必ず駆けつけてくれる

…遥さんってなんとかレンジャーみたい…
フフッ…

久しぶりに頬を緩めて、抱きしめる遥の腕に自分の手をそっと乗せた