アイ・ラブ・おデブ【完結】

のぼせそうになるまで頑張ってみたが、心が和む楽しい思い出はどこか遠くに行ってしまったようだ

「小夜?もう上がるかい?
なんだか、あんたの電話がずっと震えてるんだよ…」

と脱衣所から母の声がした

くらくらする頭をもたげながらゆっくりとした動作で風呂を出た

台所で冷たい水を飲んでいると母が携帯を持って近づいた

「ほら!
ずっとブルブルしてて…
気になってしょうがないよ…」

と小夜の手に渡すとその場を離れた

手の中で時折ディスプレイがピカリと光っているが今は大人しい

着信を確認したいが何故だか出来ない

金縛りにあったように手の中の携帯を見つめているだけだ