冷蔵庫を覗きだした圭輔をそこに残し、小夜は布団に戻り目を閉じた

一睡も出来ずに朝を迎え、身支度をしていると兄嫁の結美が近づいてきた

「小夜ちゃん!喪服なんて用意してないでしょ?
私の良かったら使って…
たぶん…着れると思うから…」

クリーニングの袋が掛かった黒い服を渡した

ぽっちゃり体型の結美の服なら今の小夜は着られそうだ

朝食も食べる気にならず、ぼ~っとしていたが家の中は通夜の準備で慌ただしかった

みんなの邪魔になりそうだと考え、納屋の裏手で膝を抱え一人で座っていた

日が傾き出すと大輔が探しに来た

「やっぱりここか…
よくここでバアサンに隠れて遊んだよな
小夜に平仮名教えたのもここだったな…
そろそろ着替えた方がいい…
台所に握り飯があるから食っとけよ」

小夜の頭にポンと軽く手を乗せ、黒いネクタイをした大輔は去って行った