高校生活の最後の一年は大きな悩みを抱えてのスタートだった

「小夜!おはよー」

すぐ後ろの席から由美子が声をかけてきた

クラス替えで一緒のクラスになり名前の順でも前後になった

春休みの出来事を全て知っている由美子が側にいてくれる…それが小夜の支えだった

「これ…もらってきたよ
思ったよりも大きいよ」

パンパンに膨らんだ紙袋を渡してくれた

「ありがとう
助かる…制服も体操着もサイズアウトしちゃって…」

由美子の姉の知り合いから手に入れたLサイズの物だ

小夜の華奢な体はもうどこかに行ってしまった

今は人並みの肉があちらこちらについている

Lサイズでは大きいが少し手直しをすれば着られるだろう