ページをめくると燃えるような赤いビル群や、柔らかいオレンジ色の山の風景など夕焼けの世界が広がっていた

お菓子を口に入れるのを忘れてその写真集に見入ってしまう

久しぶりに心穏やかな時間が過ぎていく

最後のページには一枚のスナップ写真が挟まっていた

小さな山が三つ並んでいる淡いオレンジ色に染まった田んぼの風景写真だ

…この景色…どこかで…
誰かと…一緒に…見た…?
…思い出せない…どこで?

圭輔に聞こうと顔を上げるともうそこにはいなかった