「さあ…どうぞ!」

遥は優しく小夜の手を引き、ドアの中へと招き入れた

「うわぁ…素敵…」

思わず小夜から感嘆の言葉が漏れ出た

店の照明は落とされ、あちこちに置かれたキャンドルが、部屋の中を幻想的に見せていた

一際大きなキャンドルが揺れるテーブルには、二人分のグラスやカトラリーが並べられている

「こちらにお掛けください!」

小夜は椅子に座って周りを見回していた

…こんなに素敵なお店に来たことない…
遥さんて女の子を喜ばす天才?
アーチをくぐった時から魔法を掛けられたような…