帰りの飛行機のチケットはエコノミークラスが辛うじて二人分取れた

行きよりもぐっと近い距離の席には遥がいる
その距離がとても心地好く感じる

遥はずっと小夜の手を握り、放そうとしない

「遥さん…あの…お手洗いに…」

遥の方に顔を寄せ囁いた

「ダメ!小夜は迷子になるから!」

…もう!どうやったら飛行機で迷子になるのよ!
ちょっとだけでいいから放して~!