振り返るとそこには、茶色い子牛が小夜の顔を舐めようとしていた

「うわっ!やめて~!」

雨でずぶ濡れのうえ、牛に倒されて泥まみれになってしまった

自分の情けない格好と状況に涙が零れた

隣に立つ金髪の彼女も心配そうに何か話しかけてくれるが、聞き取れない

「ごっごめんなさい…
あっ…アイム…ソーリー…でいいのか?」

子牛を柵の向こうに入れ、彼女は座ったままの小夜に手をさし伸ばしてくれた

…立つように言ってるのかな?