その後、宣言通りにアパートまできちんと送り届けてくれた

車を降りようとすると
「待って!忘れ物」

と言いながら小夜の頭を引き寄せ、唇に触れるだけのキスをした

暗い車内ならば、赤くなった顔を見られないと思うが顔を上げられない

ふと気づくと遥が車を降りて助手席のドアを開けた

「明日も会社だろ…ゆっくり休みなよ!」

ニカッと笑いながら右手を伸ばして、車から引っ張り出してくれた

「おやすみなさい…」

小さな声でそう言葉にするのが精一杯だった

小夜が部屋に入るまで見届けてから遥は車を走らせた