プァン!

アパートのすぐ近くから、小さくクラクションが鳴る音が聞こえてきた

…そうだった!タクシー待たせてあるんだ

顔を上げると優しく微笑む遥と視線が絡み合い、その瞳の奥の揺るぎない気持ちが伝わってくる気がした

小夜を抱きしめていた腕を離すと、その大きな手でそっと顔を包み込んだ

長い睫毛の瞳を閉じ、小夜の唇に優しくそっと触れるだけのキスをした

「おやすみ…」

と耳元で囁き、タクシーへと戻っていった