オレンジ色の袋を持った小夜は会社近くの公園にいた

…そうよ!食堂で食べなくてもいいんだ!
なんでこんなこと気づかなかったのかな…
これでゆっくりと…落ち着いて味わって食べられる

お茶を買って見回すが、すでにベンチは先客で埋まっている

仕方なく噴水の縁に腰掛けて食べることにした

袋の中には若葉色のクロスに包まれたお弁当箱が二つ入っていた

食べる前にカードを見つけ、大切にジャケットのポケットにしまった

お弁当箱の一つには太巻きといなり寿司が、もう一つには筑前煮が入っていた

…美味しそう…
この海苔…海苔巻きにしてくれたんだ…
ちゃんと聞いてくれてたんだ
…嬉しいな