部屋に帰ってからも小夜の思考は止まったまま動き出さなかった

………チュウを……チュウを……

…チュウを…した…した…した

…チュウ…した…チュウ

頭の中にネズミを飼い始めてしまった

既に帰宅してから30分は過ぎたが、玄関に座り込んだ状態でいる

バッグの中から聞こえた携帯の音でやっと我に返れた

遥からのメールだった


"今日もありがとう
楽しかった!
あのお店…本当に美味しかったね!
女将さんの話も凄く勉強にもなったよ
いつかご主人とも話が出来たら嬉しいな
また食べに行こうね

おやすみ
       遥"