しばらく無言で歩いていたが突然、笹原が話し出した

「小夜さん!僕…今…凄く楽しいです!」

「…はあ…」

…ただ道を歩いているだけなのに…何が楽しいんだろう?
あたし…何か見逃した?
それとも…何か思い出したの?

「小夜さん!それって鰹節ですか?」

「…はい…よく分かりましたね…」

抱えている袋を小夜は見つめた
ただのスーパーの白い袋である

「はい!とっても良い匂いがしました!
それで出汁をとったら美味しいでしょうね
あぁ…だし巻きが食べたくなりました!」

笹原はニカッと笑い小夜を見た

「あたしも!だし巻き玉子がいいです!」

やっと小夜の顔にも笑顔が戻った