アイ・ラブ・おデブ【完結】

普段なら、こんなノリのルリなど無視をする柏木だが、どういう訳か今夜は少々ニヤケ顔で寄ってきた

…来るな~!あっちに行け~!
来ないで~!お戻りください!
柏木様~お願いします…

小夜の願いも虚しく、長いストロークであっという間に、ルリの横に置いた後ろ向きの椅子に股がった

背もたれに腕と顎を乗せ、口角を上げている

「…あのディーノのことか?
平野をしつこく、情熱的に口説いていた…」

「きゃ~、何その面白そうな話~!」

…ルリ…きゃ~と言いたいのはあたしだよ…
それにぜんぜん面白い話なんてないよ

柏木をおもいっきり睨んで見たが、軽く鼻であしらわれただけだ

「去年の秋くらいからウチの会社に出向しているラテン系のデザイナーだ

そして…平野を見初めて、猛烈にアタックしてる有名人でもある
最近になって…平野がテレビに出てからは、互いに超が付く有名人になったけどな

だけど一昨日、薬指のその指輪を見て大分ショックを受けてた
もう…口説いてこないんじゃないか?」

「え~!そうなの~?
もうアタックしないの~?」

残念そうな口ぶりだが、ルリの目は輝いている