アイ・ラブ・おデブ【完結】

「温室では、よく外から見える場所で親しげに振る舞い、タイミングよく山岡さんを登場させました

小夜さんが途中で駆け出して来るのは…少々計算外でしたが、咄嗟に車に乗ってもらいました

急遽そこで、あなたの告白を聞いてもらう計画に変更です

瞬時な判断としては、的確だったと思いますよ

私の車は、後部座席のスモークが濃いんです…中が見られるとマズイ時がありますから…
どんな時かは…秘密で…

あっ!窓を少しばかり開けてちゃんと話が聞こえる配慮は忘れてませんよ」

…そんなことまであの一瞬で、計算して…
ベストセラー作家って…恐ろしい…

「私は納豆のようにネチっこく、"アガサ"のように緻密な計算を得意とする変わり者です

さあ…種明かしに驚いて頂けましたか?
私はこれほどまでに、完璧に事が運び、激しく興奮しています」

…アガサって…あのミステリー作家の?
"誰もいなくなった"にならなくて良かった

慎太郎の滑らかな語り口に、二人はポカンとアホ面で聞き入り、一言も発することはできなかった