アイ・ラブ・おデブ【完結】

遥に抱き寄せられている肩をさらに強く引かれ、思わず見上げた

一瞬、小夜に柔らかな笑みを見せ、前を向いた時には表情を固いものへと変えていた

「皆さん、大馬鹿な僕のために…大変なご迷惑をお掛けしました
皆さんが小夜を支えてくださったおかげで、僕は…この場所に…小夜の隣に戻ることができました
ありがとうございました!」

小夜の手を握り、深々と頭を下げた

「小夜の隣に相応しい男だと、皆さんが認めてくれるように…
信頼を取り戻す努力をします
どうか、これからも小夜の…僕たち二人の友人でいてください」

再び頭を下げた遥と一緒に小夜も深く下げた

どこからともなく拍手が起こり、店の中は暖かな雰囲気に包まれた

「俺は認めねえ…」

片隅で子供っぽく稲本がいじけたが、隣のリームになだめられている

「さあ!折角の料理が冷めてしまうから…食べましょ!」

グラスを配る香織がそう言うと、小夜はいい匂いが店中に漂っていることに初めて気がついた

入って来たときには恐怖のあまり、匂いなどこれっぽっちも分からずにいたのだ