アイ・ラブ・おデブ【完結】

最後に乱れを直そうと前髪に手を添えると、その指にきらりと光るリングが見えた

左の薬指に収まったリングは、小さなダイヤがぐるりと並び途切れぬ輪を描いていた

今の小夜には大きく、するすると指の根元で回転してしまう

…最近、食欲がなかったから…
ちゃんと食べればぴったりになる?
やっと…戻ってきた…ハルが…

その左手を胸に当て、右手を重ねた

再び目頭が熱くなり涙が溢れてくるのを感じた

…駄目!今顔を直したばかり…
自分に渇を入れ、溢れた涙を必死にこらえた

「小夜!まだ?お腹が空いてもう倒れそうなんだけど!」

乱暴に開いた扉からは、そんな言葉と共に由美子が登場した

「由美子さん…」

由美子の姿を見たとたんに、止めた涙がこぼれ落ちた

「あ~あ~…まったく…
ほら!行くよ
涙が止まるのを待ってたら、餓死しそうだわ…」

冷たい言葉とは裏腹にギュッと抱きしめてくれた

由美子の温もりの中で小夜は小さな声で言った

「…ありがとう
由美子さんのおかげだね…」