アイ・ラブ・おデブ【完結】

いったいどのくらいの時が過ぎたのか…目の前の小夜も身じろぎもせずにそこにいた

次に言葉を発したのは、涙を止めて隣に来た小夜だった

「ハル…」

同じように膝まづき、リングを握りしめた遥の手にそっと触れた

少し恥ずかしそうに、はにかみながら穏やかな声で告げた

「その指輪…
ハルの手でつけてもらえる?」

恐る恐る目を開け、小さな手を見つめながら耳に流れ込んだ言葉を反芻した

その視線の先で小夜の左手がゆっくりと離れ、遥の方へ差し出された

…さあや…僕がその手に…良いのか?
こんな僕を受け入れてくれるのか?
結婚を…してくれるのか?

信じられない言葉にすぐには、その手を取れずにいた

やがて引き寄せられるように、小夜の白くしなやかな手に触れた

右手に持つリングを、淡いピンク色のネイルがされた薬指へと震えながら滑らせていく

少しサイズが大きいようで、引っ掛かることなくするりと指の奥まで入った

この瞬間をどれだけ夢見てきたのか…思わずその指に唇を寄せ、両手で包んだ