アイ・ラブ・おデブ【完結】

どうしても決断できずに、その場で背を向けたまま固まっていた

「…そうだよね…
もう…あたしに話すことは無いよね
ごめんなさい…責めるような言い方をして…
笑顔で会うって手紙に書いたもんね
笑ってなくちゃ…」

鼻水を啜る音が聞こえ、小夜が泣いているのが分かる

遥の胸は、見えぬ強い力に掴まれているかのようにギュッと痛み苦しい

「さあや!」

立ち上がってその名を呼んで振り返り、手を伸ばそうとした

「ごめんなさい!」

目元を擦っていた小夜は、急にそう告げると椅子の上にあったバッグを掴み、駆け出した

…えっ?さあや…
それは…なんで?
さあやが持っているんだ?
っ!!待って!

振り返った時に見えた胸元のネックレスに気を取られ、出ていく小夜を止めるのが遅れた

「さあや!!待って!」

遥も駆け出して追いかけたが、出遅れたためか温室の外に小夜の姿は見当たらない

…くそっ!!僕は何をしているんだ!

全速力で出口に向かうと、そこで待っていたのは、慎太郎だった