アイ・ラブ・おデブ【完結】

「えっ?怒ってなんかいないよ…
そりゃあ…悲しくて涙が出たけど…
ハルが幸せになる場所が…あたしの隣ではなかったんでしょ?
怒らないよ…ただ物凄く心配だったよ
店のことも…マサさん達のことも…全てを切り離して、ハルらしくないんだもん…
心配だよ…」

…さあや…君はどうしてそうなんだ…
あんなに酷い仕打ちをした僕を責めないなんて…
そうか…もう…僕から気持ちは離れたから…だよな

小夜の言葉を耳にしてもう戻ることの出来ぬ深い溝を感じた

「…申し訳なかった…
ごめん…
こんな言葉じゃ…済まないだろうが…
僕は…さあやの幸せを願っている
あの甲斐 慎太郎が幸せにしてくれるんだろ?
有名人だから…大変だと思うけど…」

「えっ?慎太郎さん?」

…そんな風に他の男の名を親しげに口にするんだな…まあ、当然か…

小夜が呼んだ名に胸の奥がキュッと痛む

「慎太郎さんはお友達よ?
ハルの所に一緒に会いに行ったし…あっもちろん、由美子さんと3人で…
あれ?慎太郎さんのこと…あぁテレビで見たのね?」

…友達…そうだよな
僕には本当のことを言いづらいよな…

閉じていた目を開け、すぐ近くにある鉢植えの黄色い薔薇に近づいた

他の男の話をする小夜を直視なんてできないからだ