アイ・ラブ・おデブ【完結】

「あなたはお仕置きが好きなようですね
…それでは、その方向で参りましょう!」

小夜の耳元で、そんな訳の分からぬ宣言をして今度は腰を引き寄せた

…その方向ってどんな方向?
バケツと廊下の方向ではないようだ
しかし…今日の慎太郎さん…変じゃない?
この俺様キャラは…新しい小説のネタか何かなの?

「あの…慎太郎さん…
今日はいつもと違う…感じですね…
どうして…」

その言葉に眼鏡の奥の瞳をギラリと光らせて口角を上げた

「そうですね…
今宵の私は…これが隠していた本性なのかもしれません
あるいは…俳優のように演じているのかも…
もちろん、私は脇役です
主役は小夜さん…ここは女優になりきってみてください
役どころは…亭主関白な夫に仕える昭和な女…なんていかがでしょうか?
それとも…銀座の高級クラブのナンバーワンというのも…」

…はぁ~…どんな設定ですか?
要するに、このパーティ中はおしとやかに…慎太郎さんを立てて笑っていろという意味?
慎太郎さんのお仕事の為には必要な時間なのよね?…きっと…
そうでなきゃ…この腰に回された手を振りほどいてタクシーに乗ります!