アイ・ラブ・おデブ【完結】

…え~っと…由美子さん…はどこに…

広い会場の隅で、料理を山盛りにしている由美子が人の合間に見えた

横の恰幅のいいおじ様と二人で、ステージ上の話などそっちのけに盛り上がっているようだ

…あちゃ~あんなとこで…
由美子さんに連れて来られたのに…放置プレイですか!
一言いわなきゃ…

慎太郎の言い付けなどすっかり忘れ、入り口に向かおうと一歩踏み出した

ゴホン!

わざとらしい咳払いがマイクを通して、大音量で聞こえた

…!!そうだった…
お仕置き…やばっ!
怒られちゃう…

慌てて笑顔を作り、壇上の慎太郎の方へゆっくりと顔を向けた

きっと眉を寄せて恐い顔をしているだろうと予測をしたが、それを裏切る優しい笑顔でこちらを見ていた

…きゃ~!あの笑顔…かなりの腹黒笑顔だ
ほんまもんのSだ…どSだ
ってそこから笑いかけたりしたら…ほら…注目されちゃう…

壇上の社長までが余計なことを喋っている

「挨拶はこのくらいにせんと…
若いお嬢さんに嫌われてしまいますな!
ワッハハハ~
甲斐先生!これからも素晴らしい作品を期待していますよ」

豪快な笑いと共に締めくくった

始終笑顔の社長とガッチリと握手をかわして慎太郎は壇上から降りてきた