アイ・ラブ・おデブ【完結】

それを合図に二人の作家も奥のステージへと目を向けた

いつの間にかウエイターから飲み物を受け取った慎太郎は、小夜に山吹色のグラスを差し出した

社長の言葉に皆がグラスを合わせる

丸いテーブルがいくつも置かれ、壁際には料理が並びシェフがいる場所まである

立食スタイルのパーティらしいが、今夜はそれらを楽しむ時間も余裕もないのだろう

…残念だ…
せめて、あのローストビーフだけは味わいたい…
いや…あっちのフルーツがいいかな…

皆の視線がステージ上の人物に注目をしているので、小夜にもそんな余裕な考えが浮かんできた

この時までは…

「小夜さん…一緒に…」

慎太郎の言葉に意識を戻すと、二人の傍に頭を下げる人物がいた

慎太郎に腕を絡めたまま、その人物について行くとステージ脇まで来てしまった

壇上の社長の話など聞かずに、皆の視線がこちらに集まっているような気がする

小夜は足元の桜色のヒールを見つめ、慎太郎に添えた手に力を込めた