アイ・ラブ・おデブ【完結】

驚いた目を向けたが、いつも以上に優しく微笑んでいる

「あ…あの…甲斐(カイ)先生…
しょ…招待状はお持ちになりましたか?」

目の前の受付のお姉さんの遠慮がちな声に、ここがどこだか思い出した

…やだ…今の見られてた…
って慎太郎さん…わざとそうしたよね…
甲斐先生…あぁ、そうか!
慎太郎さんのペンネームは"甲斐 慎太郎"だったっけ

澄まし顔で招待状を取り出している慎太郎を睨みつけた

「ごゆっくりとお過ごしくださいませ…」

なぜか、少し照れた表情のお姉さんに見送られ、広い会場へと歩を進めた

ふかふかの絨毯が敷き詰められた大広間には、数えきれぬ人々がグラスを手に談笑している

40~50歳代のおじ様達を中心に、学生に見える若者から白髪の老人まであらゆる年齢層、雰囲気の人々がそこにはいた

広間の奥には小さなステージがあり、その上には"香林舎 50周年記念パーティ"と書かれている

…あっ…慎太郎さんのあのシリーズ…香林舎から出版されていた…
そのパーティだ…あたしなんかと来てもいいの?
だってここは、慎太郎さんの仕事場でしょ?

正しくは仕事関係の人々が集まる場所なのだが…