アイ・ラブ・おデブ【完結】

火照った頬を今すぐ覆い隠したかったが、慎太郎の腕に添えた手はその上からガッチリと押さえられている

そして、にこやかに小夜を見つめ、耳元で囁いた

「そんなに可愛い顔をしないでください…
その辺にいる雑魚までもがあなたの魅力に囚われてしまう…」

…きゃ~!なっ…何なんですか?
そんな甘い言葉…
お願いです…帰らせてください…
なんだか嫌な予感がする…

小夜の心の叫びなど、スマートにエスコートする慎太郎には届くはずもない

エレベーターを降りるとガヤガヤと大勢の人がいる賑やかなフロアに出た

皆、スーツなどフォーマルな装いをしているが大きなカメラを持っていたり、パソコンをいじったりと忙しそうだ

きっと取材に来ている記者なのだろう

大勢の記者が来るような集まりらしい

緊張で自分の体が思うように動かず、慎太郎がいなければ倒れそうだ

「小夜さん…笑顔をどこかに置いてきてしまいましたか?
それとも、私の魔法を求めているのですか?」

…はぁ?魔法?
慎太郎さんは何を言って…

言葉の意味を考えていると絡ませている腕を引かれ、慎太郎の方へよろめいた

あっ…と思う間もなく、小夜の頬にチュッとキスをした

…うわっ!しっ慎太郎さん!
なんてことを!
さっきからおかしな行動ばかり…
やはり、逃げ出した方が…