アイ・ラブ・おデブ【完結】

「待って待って!
小夜さん!夕べ、いらしたのよ…笹原さん…
随分と雰囲気が違っていたから別人かと思っちゃったけど
これ忘れ物…渡しておいてね
今度はもっと美味しいもん作るから…一緒に来てちょうだいよ」

いつもの明るい笑顔でそう告げ、小夜の掌に小さな紙の包みを乗せた

…えっ?ハルが…来た?
どうして?
人違いなんじゃ…

もう一度女将に話を聞こうと思ったが、奥のテーブルから声がかかり行ってしまった

遥は今、9730㎞も離れた場所にいるはずなのだ
アパートや会社から、さほど離れていないここに現れるのは可笑しい

女将はきっと誰か…似ている人と見間違えたのだと高鳴る胸に言い聞かせた

アパートに帰り着き、これは返さなくちゃと思い、女将が渡した小さな包みを見つめた

白い紙は、コインのような丸くて薄い物を包んでいるようだ

もう夜も更けているが、一人で悩みきれず携帯を手にした