「何を言い出すの?
叔母から連絡?
そんな嘘で私がついて行くとでも?
ふん…いいわ…電話をしてみましょ」

ソファに戻り、電話をかけ始めた

何軒目かで漸く、相手を捕まえることができ話を始めた

「もしもし…環です…ご無沙汰してます
えぇ…そう聞いて…
えぇ…はい…
はい…それで…
分かりました…できるだけ早く…」

電話を終えるときには、それまでの華やかさは影を潜め、ジョエルの話が真実であったことを物語っていた

「環さん!友人に頼んでジェットを用意しました
直ぐに行きましょう!」

力なく座る環の傍に寄り、その手を握りしめた

「…父さん…」

環の口から小さな声が漏れた