「アハハハ~!
何故私が…日本などへ行かなくちゃならないの?
そんな可笑しなことをわざわざ言いに来たの?
その汚ならしい格好も、私への嫌がらせかしら?」

環へと歩みを進めたジョエルはその辛辣な言葉に顔を紅潮させて叫んだ

「ち…違っ!
君を探していたんだ!
早く…」

「帰って頂戴
もうあなたと話すことなどないはずよ
ミーシャ!そこの薄汚れた紳士がお帰りよ」

ジョエルの言葉を遮り、自身も反対のドアから出て行こうと立ち上がった

「待って!お願いだ…話を聞いてくれ!
早く日本に向かわなければ間に合わない…
お父さんが…」

既に背中を向けて歩き出していた環はピタリと歩みを止めた

「君のお父さんが…危篤なんだ!
昨日叔母さんから連絡が来たんです
さあ…飛行機を用意しました
僕と一緒に行きましょう!」