アイ・ラブ・おデブ【完結】

慎太郎は言われた通りに、少し離れた公園へと連れてきた

真冬の公園は日差しがあれば比較的賑わっているが、今にも泣き出しそうな空模様の今日は犬と散歩をする人が疎らにいるだけだった

氷のように冷たいベンチに座り、慎太郎は話しかけた

「私のことは覚えてますね?
じゃあ…手短に話します」

遠くの枯れ木を見つめていたミーシャは小さく頷き、隣に座る慎太郎を真っ直ぐに見つめた

「笹原さんは今もあそこに住んでいますね?
主は帰ってきていないが…
どうしていますか?お元気ですか?」

パパラッチの様子から環の所在はまだ掴めていないこと、メイドの買い物を見て、遥だけが住んでいると睨んだのだ

その慎太郎の予測にミーシャは小さく頷いた

「あの方は…ずっとあそこにいます…
何もせず…ただそこに居ます」

ブノワに外出禁止令を言い渡された後、すでに気力も失っていた遥は冬眠中の動物のように過ごしていた…春の訪れを諦めた痩せた熊だった