アイ・ラブ・おデブ【完結】

広いキッチンの隅にある椅子に座り、いつもは会話などしないミーシャに話しかけた

「…なぜ?」

そう問いかけた遥の意図をすでに理解しているようで、作業の手を止め、マグカップを手に近づいてきた

「私にも良心があります
…小さなものですが」

初めて向かい合ったミーシャは、これまでに見たことのない柔らかな表情をしていた

「きっと暇を出されてしまうかも知れませんが…
命までは取られないでしょう
あなたとは違って…」

「…そうだな
僕はこの檻から出れば…
傷付けられる…大切な人が…」

言葉にすると鋭い矢のように胸に突き刺さる

更に次のミーシャの言葉で、カップを落としそうになった

「えぇ…否定はできませんね
あの笑顔を失いたくない気持ちは理解します
お元気そうでしたよ…」

…笑顔…元気そう?
なんのことだ…まるで最近会ったような口振り…