アイ・ラブ・おデブ【完結】

この数ヵ月、深い眠りに就いたことはない

瞼を閉じると愛しい人が泣いているのが見えた
うとうとと短い眠りに就けば、悲しい顔で遠ざかっていく

いくら手を伸ばしてももう届かない

この手にあった温もりはもう幻影となったのだ

そう考えながら、眠りに就いたことは覚えている

うっすらとした記憶の中で、ドアが開きこの匂いの主が近づいてきた

…ここまでしか覚えていない
果たしてあの状態で一線を越えたのか?
一線などと生温い表現をする自分に腹が立つ
環と寝たのか…そうだ…もう二度と戻れぬことになったのか…
環の思うがままに…

布団を捲り、最後の審判を受けるために己れの服装をゆっくりと見た

…フッ…これは…
この格好は…そういうことだな

僅かに寝息が聞こえてくる隣を見た

いくら空調が管理されている部屋だからと言っても、風邪をひきそうな薄い布地を纏った環が眠っていた

羽毛の軽い掛け布団の上に寒そうに体を縮めている