「私を誤解しているようね
あなたの感情を汲んであげるような立場にはないの
私は使用人…主従関係にあるのよ
あなたの望み通りに手紙を届ける?
その事を考えての行動かしら?
まあ…いいわ…
そんな私に託したのはあなただわ…
好きにさせてもらうわ」

そう砕けた言い方をして、手紙をコートのポケットに入れて足早に立ち去った

…ハルに渡してくれるだろうか…
もし、環さんに渡されたりしたら…
ハルが辛い立場にならなければ良いけど…

結局、その後も遥の気配すら感じずに肩を落として帰国の途に就いた

手紙を受け取ったミーシャの真意は分からないが、遥の近くにいる数少ない人物だ

けれども、雇い主に忠実な使用人が、環に内緒で遥に渡す可能性の方が低い