アイ・ラブ・おデブ【完結】

アパートに着いても由美子は目覚めることなく、軽くイビキまで聞こえてくる

「ありがとうございました
送ってもらって助かりました」

由美子を布団まで運び、待たせているタクシーに乗る慎太郎に頭を下げた

「いやいや…山岡さんはいつもパワフルで私に元気をくれます
たまに…振り回されるのも楽しいです
今度はゆっくりと話しましょう
じゃあ…お休みなさい」

…今度?ゆっくり…
あぁ…研究したいなんて言ってたから…
まあ…深い意味なんて無い言葉だよね

遠ざかるタクシーを見送りながらそんな風に考えていた

由美子の隣の布団に横になり目を閉じると、ホテルで見かけた遥が瞼に浮かぶ

小夜とは違う大人な女性に微笑みかけていた
あれは誰なんだろうか
こんな風に遥に苛つくことは今までになかった

遥と過ごした日々は、いつも穏やかで深い愛情に包まれていた

…もう一度話がしたい
声が聞きたい…
今、あなたの瞳に映るのは誰ですか?
もうあたしには…笑いかけてくれないのかな