アイ・ラブ・おデブ【完結】

その時は突然にやってきた

仕事を終えて携帯を見るとコウからの着信が残されている

伝言には"会社の前まで迎えにいく"と少し真面目な声が吹き込まれていた

身支度を手早く整え、会社を出るとそこには笑顔で両手を振るコウがいた

「小夜ちゃ~ん!
こっち…こっち!」

大きな声で呼び掛けるコウは周りの注目を集めている

と同時にコウが手を振る相手…小夜も視線を集めてしまった

「コウさん…お待たせしました…
あの…もしかして…」

帰宅する人達の好奇心の眼差しなど今の小夜には気にならない程、心臓がドキドキしている

…コウさんが迎えに来るなんて…
ハルが帰って来たに違いない…

携帯の着信を見た時からそう予感していた

「…うん…そうなんだ…
で、マサさんに頼まれて小夜ちゃんを迎えに来たんだ…」

いつもは元気が取り柄のコウが、歯切れ悪く言い淀んでいる

路肩にはいつか空港まで迎えに来てくれたマサの車が停まっていた

…マサさんに頼まれた…
ハルは…どうしたの?
あぁそうか…あたしには連絡もなかったし…
マサさんが頼まなければ…会うつもりはないってこと?