由美子の真っ直ぐな視線から逃れるように、デザートのタルトをフォークでつついた

「小夜…困らせていいんだよ…
それを負担と受け止めるなら…
そんなちっぽけな男なんて…止めときな!
小夜にはもっと相応しい人がいるってことだよ」

…う~ん…そうなのかなぁ…
ハルが困るのを分かっていて…
あたしの気持ちをぶつけても…

「とにかく、一度その腑抜け野郎に会わないとね…
小夜を悲しませている不届き者に…
私の鉄拳をお見舞してやる!」

「由美子さん…ありがとう
少し…勇気が出てきた…
向き合わなきゃ…駄目だよね
正直…待っているのは…少し…疲れたんだ…
事情をきちんと聞かないと…前に進めないよね…」

…そうだ
待っているだけの日々じゃ何も変わらない…
ハルの気持ちをちゃんと聞かなくちゃ!
どうなるのか分からないけど…
少し怖いけど…
互いに前に進むために…
あたしのために…ハルのために…