アイ・ラブ・おデブ【完結】

遥のいない日々はじれったいくらいにゆっくりと過ぎるが、由美子に会える日を待つ間だけは時計の針は進む速度を上げてくれた

12月に入ってすぐの土曜日、小夜は特急列車に乗り、避暑地と呼ばれる夏には賑わう街に降り立った

これから一年間、小さな個人美術館で由美子の作品が展示される

美術館は駅から少し離れた場所にあり、駅前からタクシーに乗った

少し高地にあるこの場所はもうすぐ空から白い贈り物が舞い降りる

冬の冷たい風が小夜の体にまとわり付き、思わずぶるっと首を縮めてしまう

…パリも今ごろは冬支度に忙しいのかしら…
あたしの編んだマフラー…この冬は使ってもらえないんだ…
風邪ひいてないかなぁ…

美術館の入り口には由美子の作品を紹介するポスターが貼られている

やはり、オフシーズンの観光地には浮かれた雰囲気はないが、それでも小夜の気持ちはポスターを見ただけでほんわか暖まる