ダイニングへ行くと昨夜の重苦しい食事の風景が思い起こされてくる

…あたしワインを飲み過ぎちゃって…
ここに泊まることになったんだ…
環さん…ハルに昔を思い出すように言っていた
やはり二人は付き合っていたんだ…
きっとよりを戻そうとしているんだ…
それじゃあ…あたしのことは邪魔だよね…嫌いだよね…
でも…譲れない!
ハルのことだけは!

広いテーブルで一人きりの食事を終え、ミーシャの淹れてくれたコーヒーを飲んでいた

「このあとは…
ホテルに戻られますか?
お二人の帰りは遅くなるようですから…
ホテルまでタクシーをお呼びするように言付かっています」

…う~ん…ここにいるのも…
タクシーに乗れば…帰れそうだよね…

「…はい…タクシーをお願いします…」

顔を上げミーシャにニッコリと笑いかけた

すぐにタクシーが呼ばれ二人の泊まるホテルへと送り届けてくれた

好きな物を買うといいと遥に渡された50ユーロでお釣りがきてホッとした

部屋のシャワーでさっぱりし時計を見るとまだ10時になったばかりだ

つい二日前遥と熱いキスを交わしたソファに膝を抱えて座る